にっしゃりん

自転車でどこまでも

留学ついでに自転車でヨーロッパ一周

ヨーロッパでの41日間の死闘の記録。

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2023年4月、交換留学の終わりに中央ヨーロッパを一周する自転車旅をした振り返りです。日本を制覇した自分にとっては初の世界への挑戦でした。

「ヨーロッパに来たついでに色んな国旅行しまくる」というのがアジア人留学生のお決まりだと思いますが、自分は自転車で回って差別化しようってわけです。このために名所は春までとっておきました。

目指すはパリ。ここが僕のツールドフランス

 

 

ルート・移動方法

フィンランドからバルト三国を通って南下、イタリアに向かって中央ヨーロッパを突っ切ったのち北上、フランスで折り返してドイツからフェリーに乗って帰国するルート。

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かかった日数は41日、総走行距離3957km、訪れた国は12か国でした。当初はヨーロッパ横断を銘打って始めた旅でしたが結果一周のような形に。

途中に電車を5回使用。これにより規模の割に移動距離は小さく収まりました。慣れない土地での自転車旅は想像以上に難しく、限られた日数で移動するためやむを得ず電車を使用する場面が多かったです。

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電車は自転車ラック付きがほとんどで輪行しやすい。

 

宿泊事情

寝泊まりは主にホステルキャンプ場野宿

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安全を考えると宿を取るのが賢明。費用を抑えるためホステル(相部屋の宿)を主に利用しました。安い国で20€、高い国は40-50€くらいするので痛い出費でしたが安全のためです。特に都市部では必ず宿を取るようにしました。

宿の取れない都市はキャンプ場を取って安全を確保しました。(ヴェネツィアアムステルダムなど)

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それでも宿が見つからない場所もあります。アルプスの山間部には宿がないしあっても富裕層向けの高級宿なのでやむを得ず野宿をしました。フランスの田舎も野宿せざるを得ず、スーパーの影にテントを張って野宿しました。(何もない場所には人もいないので意外と安全に野宿できました。オススメはしませんが)

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アルプス手前の観光センターの軒下でテント泊。

あとは知り合いの家に泊めてもらったり朝まで開いてる店で仮眠したり。エアビも一回だけ使いました。ポーランドの団地みたいな民家に泊めてもらったのですが、現地の人の生活が垣間見えて面白かったです。

 

食べ物

食事はスーパーでパンを買うかマクドナルド。

ヨーロッパは日本のコンビニの代わりにスーパーが各所にあるのでスーパーで食料と補給食を買い込んで進みました。国ごとに置いてるものが違って面白い。

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マクドナルドもヨーロッパ全域にあるので心強い味方でした。コンセントもあるので充電が減ってきたらマクドに長居して胃袋と充電を満たしました。日本の快活がヨーロッパではマクドだったと思います。

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観光地に行ったらその国の名物を食べました。ミラノのリゾットとかパリのガレットとか・・・ 日本食もたまに食べました。計3回くらい。

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気候・治安

春のヨーロッパで南北に移動したので気候の変化は大きく、気温は最低-1℃ 最高30℃くらい?でした。旅の序盤は朝起きたらテントが凍っていたし、中盤は気温の変化で風邪をひきました。

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土地の特徴はひたすら風が強かった印象です。街と街の間の開けた田舎道は風が吹き荒れていて全く進めなかったです。風と日差しに一日中当たるので肌へのダメージは避けられず、耳が赤く腫れあがりました。

治安は全体的に良く、注意していたのもあってか危ない目には遭いませんでした。念のためパスポートは小さなカバンに入れて服の中に仕込んだり、自転車を守るためにデカい鍵を買って宿では室内保管をお願いしたりして事件事故は未然に防ぐことができました。

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費用

費用は円換算で¥332,187でした。(後でクレカに来た請求額の合計)

だいぶ金とんだな~。宿を積極的に取ったので宿泊費は高くなりました。交通費は途中の電車と帰りのフェリーを合わせた額です。自走したらもうちょい抑えられたかもしれないけど仕方なし。結果どれも41日間生き延びるための必要経費だったと思います。

 

自転車・装備

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日本一周とほぼ同じ装備でした。テントは変えたかな。サドルバッグ(自転車後ろ)にサンダルを括り付けていましたが途中2回落として買い直しました。

↓装備の詳細はこちらを参照

none-nome.hatenablog.com

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旅を終えて

思い返すと終始苦しかった旅でした。思うように進めず、明日の寝床も分からず、無事に帰れるかも分からないまま帰りの船の日数まで進み続けなければいけない絶望感。

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これまでの経験で自転車旅に慣れたつもりでしたが、ヨーロッパの土地では全く通用しませんでした。「こんな距離も漕げないか」とか「また電車に頼っちゃうのか」とかネガティブになる瞬間もありましたが、この旅では過去の経験は切り離して全く新しい自転車旅の形を探す必要がありました。苦手な相部屋の宿に泊まること、諦めて電車を使う選択をすること、雨の日に大人しくその場に留まること。そんな諦めのようなものを経て初めて達成できた旅だったと思います。

そんな紆余曲折を経てパリに辿り着いた瞬間のことは忘れないです。目指して進んでたんだから辿り着くのは当たり前。そうは思いつつも達成感に包まれながら自分を称えた瞬間でした。

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というわけでヨーロッパ旅の振り返りでした。もう漕ぐ場所なくね?次の目標見つけるまで休憩かな〜。